籠の中のジョニー

若輩者のプロフィールのような文章

親の話

親は嫌いじゃないけど、両親のようになりたくない。

自分が親からされてきたことをざっと振り返ってみて、何もしてもらわなかったとは思はないけど、これといって養われたということしか実感はない。

 

何か教育として教えてもらったり導いてくれたりはもちろんないし、大学に進学することも金銭的理由から一度は拒否されたことはかなり鮮明に覚えている。

中学、高校、大学と進むにつれて親には自立を意識させられたのかあまり良い親からの待遇を受けていない。

他人と比べるとどうしても子供に興味がない親に思えてしまったり、親を頼って何かをしてもらうことに引け目を感じてしまうようになった。

今親元を離れ一人暮らしをしているのは、そんな親への反発かもしれない。

 

思えば反抗期もなかったかと思う。反抗することも面倒なくらい家族というコミュニティの変化を嫌った。親の言うことをなんでも鵜呑みにして生活していたが、今思えば自分が当事者になったときにはとらない行動を親はしていた。

具体的には細かすぎて言いたくはないが、子供に対してやりたくないことはやらずに、一人の人間として趣味や仕事に目がいっていたのだと思う。子育てはある程度終わって自分自身で生きていけると踏んでいたのだろう。

 

生きていく上で親から教わったことと言えば、やっちゃいけないことを躾として染み込ませたことだけだと思う。親からやれと言われたのは家事や自分の部屋の掃除くらいだった。

 

よく芸能人が子供の教育に対し、「自分でやりたいことを見つけて欲しい」なんて言うと思うが、自己肯定感の低い自分なんかから言わせると自分からやりたいことを探すのは難しい。

学生時代は期限があって、他人ともある程度横並びで進んでいくこともあって、決断のタイミングがハッキリとしている。そのタイミングでどちらが良いかを選択することが今やるべきことを考えるとも言える。

自分自身が親になった時は自由だけではなくある程度の知識を与える存在になりたい。ほっとくことは一概には言えないが、情報量という点では良い対応ではないと思う。

自立とのバランスを考えて教育を考えていこうと思う。少なくとも自分の親には有力な情報を貰えなかった。

 

何が子供にとって良い親か、25歳で社会に出て数年たった今、漠然とではあるが自分なりの答えが出てきたように思える。それは時代によって変わるとは思うが、自分が子供だった時代の中でも最善の親子関係だったとは思えない。

互いにリスペクトし合う関係である必要はないが、頼れる関係にあることが今思う親としての最善の親子関係かと思う。