貧乏が故の話
はっきり言って家は貧乏である。
小さい頃から少しばかり周りの家から比べるとモノを買い与えられなかった。そのことに関して当時は周りの家を妬んだり、買い与えてこなかった親を恨んだりは多少していた。
幼少期は人と違うことに関して、かなり敏感に感じる年頃だと今では思う。
親戚のおさがりや、学校で買うようなものを買わないで安い工具箱や絵の具セット習字セットを使わされてた。
時が経って今では両親の判断は正しかったと思う。別に機能的に何にも劣るものではなかったし、プライベートブランドのようなものに対する評価は昔より上がっているようなものであり、いいものを安く買うことに喜びを得ることさえある。
でも当時はそんなことも考えられない年齢であることは間違いない。
みんなと同じことが正義であり、ちがうことが悪であることにある。
いじめなどはそんなことから始まるのではないかと感じる。
大人になるとハラスメントなどと言われる行為があるが、いじめとは少し違ったニュアンスになることが多いと思う。
ハラスメントに対しては周りの環境というよりかは個人の価値観や感情に応じて起きる問題であり、周囲の環境ごと巻き込むことが必ずしもあるとは限らない。
いじめに関してはそう言った周囲の環境を巻き込んでしまう、今や「空気」と呼ばれるものに支配されることが多々ある。
幸い私自身は貧乏が故か、親の正しい判断かによる周りと違う状況に関していじめが行われることがなかった。今考えてみても自分自身ほかにも仲間外れにされる状況になる要素はたくさんあったはずなのだが、周囲の目は優しかった。
今考えてみると、他の子の親の教育が良かったのか、はたまたそれぞれに私とは違う「人とは違う」を持っていたのかもしれない。